第28回社内報 まごころとは何か ~あなたを支える力となる~

掲載日:2016年1月1日

 「まごころって何ですか?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか。なんとなくこうかな、と思っていても、いざ言葉で表現するとなると難しいものです。私も正直なところ的確に一言では説明することができません。今回は、この「まごころ」について少し考えてみようと思います。
 最近、私が電車に乗った時の出来事です。杖をついた年配のご婦人が、娘さんに手を引かれて電車に乗ってきました。その時、車内は満席でした。私は普段から、電車やバスに乗ると、席がなくて困っている人はいないかと、周りを探してしまうのが習慣となっています。それでこの時も、年配のご婦人に気づいたわけですが、その時近くに座っていた女性が、さっと席を立ち「どうぞ座ってください」と実に自然に席を譲ったのです。私はその様子を見てハッとしました。本当に身のこなしから声のかけ方まで、すべての振る舞いが身についているのです。頭で考えて行動するというのではなく、心でただ相手のことを想い、無意識のうちに行動する、そんな感じです。一方で私のほうは、困っている人がいないかと自分から探してしまっていました。これは純粋に相手のことを考えての自然な行動とは言えません。つまり、自分中心の考え方です。周囲から褒められたい、認められたい、注目されたい、自分の気持ちが済むように、といった考えがあると、せっかくいいことをしても押しつけがましく受け取られてしまうことがあります。少し話が難しくなりましたが、要するに自分のことは後回しにして、見返りを求めず、ただ純粋に相手や世の中の役に立ちたいという純粋な気持ち、これが「まごころ」なのです。まごころが身についた人の振る舞いというのは、実に自然で気持ちのいいものです。
 最近、社内で実際にあったエピソードをご紹介します。大阪城本丸前の広場での出来事です。その日もお店の周りは、中国など海外からの観光客でにぎわっていました。その時、たまたまお店のそばにある木の根っこに足を引っかけて転倒しけがをした男性がいました。転倒により額と唇を打撲し血を流して地面にうずくまっています。救急車の依頼を受けた店舗のスタッフは、すぐに男性に近寄り声をかけます。英語の話せるそのスタッフは、男性に付き添っている娘さんから状況をヒアリングし救急車を手配しました。救急車が来るまでの間、中国語の話せる別のスタッフは、けがをした男性に安心するように話しかけ、到着した救急隊員に香港からの旅行者であること、宿泊先など通訳した内容を伝えサポートしました。また、別のスタッフは、お店からペットボトルの水をもってきて男性に口をゆすいでもらったり、傷口を冷やすなど応急処置を行ったということです。彼らの見事な連携プレイもさることながら、海外からきて外国である日本での思わぬアクシデントに困っている方に、親身になって真心を尽くした彼らの行動に感動を覚えます。もし、みなさんが逆の立場だったらどうでしょうか。見知らぬ外国で言葉もわからない、救急車を呼ぶにはどうすればいいのか。誰の助けもないとしたら不安だらけで本当に心細くなると思います。きっとこの中国の方にとっては、日本での思い出の一つとして印象に残ることでしょう。真心を尽くせば相手からは感謝の心を感じることができます。それが自分を支える力となるのです。まさに真心の循環です。
 そして、皆さん一人一人が「まごころ」を身につけることによって、職場環境も変わっていきます。いい心が、いい社風を生み、いい会社へとつながります。ぜひ、「まごころ」を身につけて実践してください。
 昨年は一年間本当にお疲れさまでした。
 本年が皆さんにとって輝かしい年となることを願っています。